ウルトラマンデッカーのディメンションカードやウルトラマンXのサイバー怪獣など、ウルトラマンに協力する怪獣のコピーというのは存在する
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怪獣のコピーをウルトラマンや人間が使うアイデアその先駆けと言えるのが、ウルトラマンメビウスに登場したマケット怪獣だろう


マケット怪獣は、ウルトラマンメビウスの防衛組織GUYSが科学特捜隊からUGMまでの歴代の防衛組織のアーカイブから怪獣のデータをコピーして作られた超化学兵器 メテオールのうちの一つ

外見はオリジナルの怪獣と変わらず隊員の指示の下動いて戦ってくれるのだが、安全性のため時間がわずか1分しか使えないこと、使うと1時間はその体を構成するマケット分子をチャージするために使えないという難点がある

劇中では、かつてウルトラセブンの指示で動いていた善性の怪獣であることからミクラス、ウインダムが採用された

尚、アギラについても一応データ自体は存在したのだがデータ不足のため採用されていない(小説版より)


マケット怪獣は生物ではないが、感情を有しているのが特徴であり、上述の1分間制限もあるため、暴走のリスクがかなり少ないのが利点であるが、それ以上に他の怪獣のデータをインストールすることで強力な技を発動できるのも強みである


・ミクラス→エレキミクラス
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ミクラスを素体としてエレドータスとネロンガといった透明電気怪獣のデータを読み込ませて用意された  電撃を生成して放つことができる他、透明能力も得ており奇襲攻撃にも長けている
尚電気怪獣の代表格ともいえる、エレキングのデータも読み込ませる予定ではあったがミクラスのデータにあるエレキングに倒されたという記憶がエレキングのデータを拒否したことでインストール不可能であった(尚その時に偶発的に生まれたのがリムエレキング)
後述のマケットゼットンと対峙したときも電撃でゼットンをひるませるといった活躍を見せた



・ウインダム→ファイヤーウインダム
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ウインダムを素体としてゼットン、パンドン、ブラックエンドの炎を使う強力な怪獣(一応3体とも初代、セブン、レオの三作品の最終回に登場した)のデータをインストールして作られたウインダムの腕に銃、頭部が赤く変化しているのが特徴
ウインダム自体が扱いやすい性質であったため、非常に強く、デモ戦のホログラムとはいえバードンやムカデンダーを撃退、ロベルガー相手にも優位に立ち回るなど安定した戦いを見せたが、氷属性のグローザムには返り討ちにされた(これは相手が悪い)


また、マケット怪獣は試験機だけではあるがいくつか存在しており、劇中では
・グドン
・ツインテール
・バードン
・ベムスター
・ウルトラマンメビウス
・ゼットン
が候補としてカプセルのサンプリニングで登場していたがすべて採用されなかった
理由としては以下の通りであるが個人的な主観も入れたい
・グドン→地底からの攻撃が主体であるため、1分しか戦えないのに地中に潜る時間が惜しい
(鞭によるリーチの長さはいいが決め手となりそうな技が欠如しており鞭によるラッシュで相手が息絶えるまで時間がかかるため地中からの攻撃という手間以外にも欠点がある)
・ツインテール→水中では強いが陸だとただの餌
(これはごもっとも、海なら専門のオーシャンがいるしグドン以上に決め手がない)
・バードン→毒袋があるため環境に悪い
(強いのは強いけどたしかに倒されると猛毒が拡散されるリスクが高く市街地では特に扱えない)
・ベムスター→捕食されかけたマリナ隊員の断固反対で不採用
(攻撃吸収はたしかに強いけどこいつも決めてにイマイチ欠けるし所詮は1分しか使えない壁になる程度の使い捨てに過ぎないだろう)
・ウルトラマンメビウス→ウルトラマンをマケット怪獣にするのはどうかという倫理的な面と本人への配慮のため不採用
(強いのは強くメビウス本人のデータのため暴走のリスクがないのはたしかにいいのだが、やはり倫理的に守ってもらっている側の人間がウルトラマンを使役するというのはありえない話だし、本人と並んだ日にはどっちがどっちがわからなくなり共闘に支障が出るのは間違いない、しかもこのマケットメビウス、命令でしか動けない致命的な欠陥があり切羽詰まった戦場で命令し続けないといけない上に判断ミスで頭を悩ませられた日には相手にボコスカにされるだろう、いずれにせよ使い物にならない性能だ)
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・ゼットン→ウルトラマンを倒したという実績、攻防一体の安定から有力視されたがトリヤマ補佐官が落としたことで暴走した
(劇中ではトリヤマ補佐官がドジったことで暴走したが、そもそも落としたくらいで暴走するようなものがより衝撃のウケる戦場で使えるとは到底思えない、実践段階で暴走しなかっただけまだ良かったと言える)

以上の理由により結局ミクラスとウインダムが一番安定しているため、他のマケット怪獣が採用されることはなかった

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まあそもそもミクラスやウインダムのような善性の怪獣でなければ、かつてその怪獣が暴れた際に被害を受けた人々や遺族から反感を買うのは間違いなく、そういった意味でも採用しなくて良かったと言える

市民からの批判が集まりにくいウインダムとミクラス以外だとほんとにアギラやセブンガーくらいしか候補がなくアギラでもデータ不足だった以上1度きりの登場のセブンガーなんかもってのほかだっただろう

(ピグモン、オルフィやパンドラみたいな大人しい怪獣は攻撃力皆無だし)




以上がマケット怪獣の解説ではあるが、今回マケット怪獣化しなかった中で人間に味方した怪獣は後に

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アギラ→ウルトラマンデッカーで登場、テレスドンを撃破
セブンガー→ウルトラマンゼットで特空機として大活躍としてレビューしている
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また、上の理由で不採用になったゼットン、ベムスターもウルトラマンXにてサイバー怪獣のアーマーとして活躍している

加えるなら怪獣やウルトラマンの力をカプセルにさせるというのはウルトラマンジードのウルトラカプセルを始めとしたアイデアの原点とも言える

地味に後の作品に影響を与えてるのがマケット怪獣なのだ